2012年10月28日

【交感】(野外編)2012.10.27 代々木公園


『交感』第三弾は、秋深い代々木公園にて行った「野外編」。
<以下、サマより>
中島さんは大きなアンプを引っぱりギターをかつぎ、私は画板とイーゼルを抱えて。「渋谷口」からすぐの噴水、人通りのある道に面してイーゼルをセット。音を確かめるようにギターを鳴らし、絵は大胆に筆ペンからなみなみと。ほぼ2時間ぶっ通し。多くの人がそばを通りすぎ、あるいは耳をそばだて、目をこらしてくれる。中島さんの音も、どんどん多彩に、太くうねっていく。絵で言えば、下方の渦巻き部分や、中央の黒いぐしゃぐしゃなどは、音色が描かせてくれた線。その後、さらに雑木林の奥へ移動。人気なく、夕暮れせまる薄暗い林中。ここからはお客なし、1対1のセッション。細部をペンで埋めつくす。落ち葉の音・鳥の声、あとはギターだけ。ピキピキと細切れたり、伸び縮みしたり、新しい音がいくつもギターから飛び出す。絵があり、音があり、広く閉じた世界で、そのまま枯れ葉の上に仰向けになりたくなる衝動。魂は解き放たれていたのだろう。外の世界と絵の世界がかさなって、すべては音にとけて空に昇っていった。
中島さんの「ひとつ超えました」という言葉。空には十三夜の月。心地よい夕空だ。

<以下、中島より>
これまでファイルの交換や屋内のライブで行ってきた『交感』。今回の会場は野外。一面の土を覆い尽くす枯れ葉と枝、ところどころに小さなきのこのある、木漏れ日が差す木立の間でライブをしました。
従来とは異なり、サマさんの絵はよく見えず、道行く人も初めからこちらに注目しているわけではない。音も四方八方へ流れ去っていきます。それらの違いに初めは少し戸惑いましたが、自分自身とサマさんを信頼してただ打ち込もうと決意し、ひたすら弾き続けました。やがて、その状況を愉しめるようになり、サマさんの存在と絵、立ち止まったり行きかったりする人々、さまざまな虫や植物のいる林…自分自身がそんな全てと作用しあって演奏できるようになりました。溶け合いつつも、ひとつ抜ける、ひとつ超えるように未知へ飛び出していく。[御しきれない]と[御する]との狭間を行き来しながら解放感を覚えていると、同じようにサマさんの筆が走っている様子も見え、その絵がどんどん生きてくるように思われる。そのままのすばらしい状態で閉園時間直前にライブ終了。
終演後の「一人ではここまでできませんでした」「すごくたのしかった」というサマさんのご感想がうれしかったです。自分も全く同じ想いでした。

1 件のコメント:

  1. 秋の公園という環境もすばらしかったですね。場所の力ってあるんだなあ。そこへ中島さんの演奏。自分の輪郭が秋へと溶けだす心地がしました。‥‥また何か面白いことやりましょう。

    返信削除